2001・3・6

クランクシャフトをボーリングやさんに持っていく前にやらなくてはいけないことがあります。

遠心式オイルフィルターの掃除と、クランクベアリングの交換です。
そして折れたボルトの交換分もいっしょに持っていかなくてはいけないので、それを注文する前にこれらの作業をやって、多分だめになるであろうネジ等の見極めをしなくてはいけません(できれば交換せずに使いたい・・)。

まずシャフト右のベアリングの押さえのネジをはずさなくては・…、回り止めのポンチあとがあります!


回り止めということは、ちょっとやそっとでは回らないということでしょう。

ショックドライバーを取り出しましたが、ベアリング部はケースのあわせ面より中にあるため、このままショックを与えるとケースが割れるかもしれない(おじさんも少しは考えるようになった!?)
何か下にあてるものを探しましたが手ごろなものはありませんでした。

それではクランクシャフトの遠心フィルターのイモネジに挑戦です。

もちろんポンチあとがあるので、ウェブ部の下に垂木を当て、ショックドライバーのビットをマイナスに交換。
「ドン!」(←ゴムハンマーなんでこんな音です)
少し回りました。調子に乗って「ドンドンドン・・・」

まわるには回るのですが、ネジ自体が軽くなりません。
ショックドライバーを使っているからだめなのかと思い、大き目のマイナスドライバーでまわしてみます。

「ズル」
やっちゃいました。頭を少しなめちゃいました。

マイナスドライバーの頭に、腰に当てて体重がかかった手を載せ、左手に持ったパイプレンチで回します。
おぉ〜、まわっていきます、がやはり軽くはなりません。
そのままの状態で何とかはずします。(最後まで固かった)

続いて反対側にあるのも同じ要領ではずします。


何とかはずれましたが、このネジは交換した方がよいでしょう。

ここのスラッジをほじくるのは竹串です。(参照 進行性W病)


あれぇ〜、スラッジがありません。
なんだ、はずす必要はなかったのか。

い〜えいえそ〜うではあ〜りま〜せん♪
反対側はスラッジで完全にふさがれていました。
ここでちょっと考えればよかったのですが、そのまま竹串で「ホジホジ」

貫通したあとCRC5-56を噴射します。
そこで疑問が「スラッジがコンロッド側へ入ってしまうのでは・・・・。」

あわてて噴射ストップ。
やっとわかりました(やっぱりあまり考えていない!)、スラッジのたまっていない方の穴は、掃除用の穴であるということが・・・。
やってしまったことはしょうがありません。反対側の穴から5-56を大量噴射して終わりです。


掃除のつもりがえらいことになっちゃったな〜、このスラッジがコンロッド側のオイルラインを詰まらせないことを祈るのみです。

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2001・3・8

クランクシャフト右ベアリングをはずすため、下にかませるゴムマットを調達してきました。

厚さが10ミリくらいのものを小さく切って4枚重ねるとちょうどよい高さになりました。



これでベアリングホルダーをとめているネジをショックドライバーではずします。

クランクシャフトのイモネジと違ってあっけなくはずれました。
このまま反対からベアリングを押し出せば・・・、


鉄棒をあてて慎重にコンコンとたたきます。

何とかクリアー!

これでクランクケースの中は完全に分解が完了しました。

次は部品の調達です。

そうそう、その前に部品を洗浄しなくては。
おじさんは片隅にあったポリタンクをおもむろにカッターで切りました。


「そういや〜このポリカン、ダイハツハローを買ったときおまけでもらったんだよな〜。」と二十数年前を思い出しながらの作業でした。

あのハローは色の塗り替えをしようと剥離材を塗ったため、外装が全部ふにゃふにゃになって泣く泣く解体や行きになってしまいました・・・。

こいつも上手く組みあげることができなかったら・・・・。

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2001・3・25
この半月の間はほとんど作業が進行していません。
理由は・・・。

とりあえずばらした部品の洗浄だけでもやらなくては!



いや〜、まっくろけです。おじさんは真鍮のワイヤーブラシでごしごしやろうと思っていましたが、「ここは歯ブラシ!」ときつく申し渡されています。
まず洗浄機(ポリタンク)に灯油を入れて、


(こんな画像まで入れなくても良いのに・・・)

我が家にはドキンちゃん歯ブラシはないので、おじさん使用済み剛毛歯ブラシでゴシゴシやります。

油と泥は簡単に落ちますが焼きついたような汚れとパッキンはなかなか落ちません。
「えぇ〜い!」と真鍮ブラシでやってみたい衝動に駆られるのを我慢しながら根気よくゴシゴシ・・・・・。

まあまあきれいになりましたがパッキンはなかなかはがれません。
しょうがないのでカッターの刃でこそぎ落としますが、あきらかに傷が・・・。
やっぱまずいので考えます。
「あっ、そうか、紙だから燃やせば良いのかな〜?」
おじさんの思考能力はこんなもんです。

一応師匠にお伺いを立てると、
「湯煎した剥離材をぺたぺた塗るとOK、湯煎するところがポイントで〜す。」

なるほど、燃やしたらダメなのですね〜。こういった小さなポイントが素人にはわからないんですよね。
剥離材はないので、次回にまわしましょう。

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何をしようかなっと思って秘密基地にあらためて出向いたとき、灯油につけておいた1次チェーンケースがかえって汚くなっています。

灯油がどろどろになっていたので、一回布でこしてやろうと別の容器を調達してきました。
そして汚泥の中にきらっと光るものが・・・。


あらららら・・・、どっかのシムが・・・・。
おいおい、もっと慎重にやらなくてはね〜。
どこのシムかわかりません(大丈夫かいな?)が大切に保管しておかなくては。
はたしてこんなことで、ちゃんと組み上げることができるのでしょうか?

そうこうしているうちに、メーカー在庫の部品が入ってきました。
(メーカー販売終了部品はほかのとこに頼んではいるのですが・・・。)
おもにパッキン類と、元凶のネジです。



「おぉ〜、こいつが折れなければ!」とネジを手にしてみると・・、
なんと錆びていました、とホホ。
「まああるだけでもよいか」と自分を慰めていたおじさんです。

ほかの部品がなかなか入ってこないので、とりあえずボーリングやさんに持っていくために、クランクのイモネジをはめようとしました。
これがちゃんとはめられれば持っていけるので。
しかしイモネジはメーカー欠品なので、はずしたネジを再利用することにしました。
ドライバーの頭に体重をかけ、じわじわまわしていきます。
はずす時もとても固かったので、慎重に・・・。

「ん?」ネジの挿入部に糸のようなものが・・・。
がっび〜ん、イモネジが旋盤にかけているように削れて行っています。

しばらく手を止めて呆然としていましたが、このまま無理に入れ、クランク自体にダメージを与えると取り返しがつかなくなります。

こわごわはずしてネジを見ると、ねじ山の形がなんか普通じゃあないような気もします。

とりあえずこれはネジやさんに相談してみることにしましょう、が、こんなこと相談できるネジ屋さんがあるのでしょうか?

師匠に教えていただいたとこは卸やさんなんで、どうかな〜?

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日曜日ですが雨なのでヒマにしていたらワイフが許可をくれました。

ホームセンターに行き、剥離剤を買うと秘密基地に直行です。

キャンプ用品をひっくり返してまず湯煎です。


可燃性と書いてあったので、慎重に暖めます。

パッキンが残っている部品を脱脂して、ワイフの使い古した筆(趣味が書道)でぺたぺたぺた。


剥離材が浸透してくるまで、ヘッドのオーバーホールをしましょう。

ヘッドを立ててポートからCRC5-56を大量噴射!


四ヵ所ともやりましたが、燃焼室にしみ込んできません。

はいヘッドのオーバーホールおしまい(どこがオーバーホールじゃ!)。

それでは剥離材を木片でゴシゴシゴシ。

あっという間にぴっかぴか、


というわけにはなかなかいかず、ゴシゴシ、ぺたぺたを何度か繰り返すうちにやっときれいになりました。

剥離材の洗浄は流水です。近所の公園の水道で、歯ブラシできれいにしました。

そのあとウエスで水分を大まかにとって、錆びないように灯油にどぶ漬けしました。

あっ、アルミだから錆びないのか・・・。まあ気持ちの問題です。
組むときにはコンプレッサーで飛ばさないとダメですな〜、がここにはありません、とホホ。

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2001・3・28

クレージーズさんからやっと返事がきました。
必要な部品はすべてあります、が、クランクのイモネジは、中古のクランク五個から2個しかきれいにはずせないという貴重なものでした。

そんな貴重なものなら、自分ではずしたものをなんとか使えるようにしようと思い、近所の車やさんに行きます。

「これ、どうやってはめたらよいのでしょうか?はずす時も固かったし、はまんないし・・・。
きっと温めたらはまるんじゃあないかと思うんですが・・・」

おじさんは自分で考えた浅知恵を言います。

「焼きバメ(?)はネジには使わん!焼いてネジを当てた瞬間そこが冷めるし、ネジの方もあっという間に熱を持つからの〜」

「じゃあどうすりゃあええんじゃろうか?」

ネジのことはネジやへ、と、偶然(必然?)にも以前アイリーさんに教えてもらったネジやさんへ行くよう指示を受けました。

同じことをネジやさんにも説明してみると・・・、
「ネジが硬いのはここ(クランク側)に傷があるからじゃ、これを直せばすんなりはいると思うよ」

傷は回り止めのポンチの跡でした。

おじさんは特殊なネジだということを説明すると、イモネジに磁石をあて、ちょっと待てとネジやさんは奥へ行きます。

そして黒いネジを持ってきます。

「これは普通の鉄のM8じゃから、これをつこーてみー。」と渡してくれます。



頭はマイナスでなく六角のアレンキーを使うやつ(名前がわからん)です。

「じゃあ4本ください、なんぼですか〜?」

「50円・・・。」

それではと420円差し出すと、「全部で50円でええよ。」といってくれました。

礼を言いつつすぐさま車やさんへ帰ります。

そこでタップを借りて、例によってビビリながらタップを立てます、グリグリグリ。

するとどうでしょう、あんなに固かったネジがすんなり入っていきます。

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2001・3・29

おじさんはポンチを持っていないので、5寸釘(なぜかこんなものはある)を持っていきます。

イモネジはツラよりちょっと中に入ってとまりました。
そこで釘で「コン!」・・・釘の先がつぶれてしまいました、とほほ。

また車やさんに走ります。

ポンチを借りて「コン!」今度はだいじょうぶ。ねんのためアレンキーを挿して力を入れると・・・回ります。

再び「コン!」今度はネジが若干つぶれアレンキーが入らなくなりました。

アレンキーをハンマーで軽く叩き込み、ちょっとまわしてみると・・・回りません。
成功です。

反対側も同じようにやって、今度はボーリングやさんに走ります。

ボーリングやさんは「だいぶん前に車やさん(仮称)から聞いてて、全然持ってこんからどうなっとんかと思よ〜た〜。」

「え〜っと、自分でばらしとったんで、遅くなりました(3ヶ月弱)。急ぎませんので(きもちは急ぐ)よろしくお願いいたします。芯だしのほうもよろしくお願いします。」

「こりゃー一体式じゃけん、芯だしゆうてもな〜、まあやってみるわ。」

これで一段落しました。

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