2001・4・5

ボーリングやさんから連絡がありました。
「ネジ抜き、できましたよ〜」

おじさんはマニュアル(SM-3)を持って引き取りにいきました。

「振れはどんなじゃったですかね〜?」

「わしが見る限りだいじょうぶじゃ。」

そこでおもむろにマニュアルを見せて、「ここが0.1ミリ以上だと限界なんですが…。」

「じゃあ一応見てみようか」と、Vブロックにセットしてくれます。
ダイヤルゲージをあてて…、そこに電話がなりました。

おじさんは勝手にクランクをまわして測定します。

左エンドは0.04ミリ、右エンドはなんと0.03ミリしか振れがありません。
マニュアルでは標準値が0.05ミリ以下なんでまったく振れていないといってよい状態です。

Yカバーに段差がついていたのはベアリングのガタだとおじさんは勝手に結論付けました、めでたしめでたし。

電話が終わったボーリングやさんに質問します。
「もしここが振れが大きかったら、どうするんですか?」

「そりゃ〜殴って修正するんじゃけど、たいしてできんかも知れんな〜。
こりゃあWのじゃろう、むかしゃあ部品がよ〜け〜あったんじゃけど、ほしい言うひとがおって一切合財持って帰ってしもうて、なんものこっとりゃあせん。メグロのもあったんじゃけどの〜。」(だれじゃ〜!○△□さんか??)

「じつはカワサキメグロが一台あって、それもばらしてみようと思よ〜るんじゃけど・・・。」

「まあとりあえず振れを測ってみて、せーからじゃの〜、こりゃあ割と丈夫なから、だいじょうぶじゃろう。」

いろいろ思いつく範囲で質問し(たいして思いつかない)、料金をお支払いして帰りました。

明日はバージル君からコンプレッサーを借り出し、いよいよ土曜日から組むぞ〜!!(たぶん)

あ〜、ネジのことは何も聞かなかった・・・。

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2001・4・6

バージル君ちから、コンプレッサーを借りてきました。
ちょっと時間があったので、ベアリングだけでもはめておこうと作業開始。

クランク右からです。

まず灯油につけてからコンプレッサーで吹き飛ばします。
底のオイルフィルターをはめ、ネジ止めします。

続いてベアリングですが、銅ハンマーなんて持っていませんので、古いベアリングを当てて叩き込みます。

そのまえにCRC-556を噴射します。
メタルの場合は脱脂しなくてはなりませんが、ベアリングですから・・・。


ガンガンガンと慎重に叩き込みます。
全部叩き込めたら、ベアリングとケース面を指でなぞって斜めになっていないか確認します。

続いてベアリングの押さえをネジ止めします。
最後にショックドライバーでガンとやります。


これでもう簡単には回らないはずですが…、ためしにまわすと簡単に…。

再びショックドライバーでガンガンガン。
OKです。
車やさんから借りてきているポンチでネジと押さえの間をたたいて完璧(のはず)です。
左ケースも同様に叩き込みます。それからオイルシールも叩き込みます。

これで明日はケースが組めます(たぶん)。

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2001・4・7

いよいよクランク組み込みです。

まず右タイミングケース側にクランクを当てて叩き込みます。

本来なら銅ハンマーでやるのですが、そんなもの、持っていませんので、ゴムハンマーを当ててその辺にあった鉄パイプでたたきます。



なかなかはいりません。

ガンガンやっているうちにふと不安がよぎりました。
「こんなにガンガンやってだいじょうぶなんだろうか?」
「いやいや、はずす時もガンガンやったじゃあないか・・・。」

がっび〜ん!!

おじさんは気づきました。

はずすときにガンガンやったのは、ガンと力がはいったクランク軸のすぐ横のベアリングをはずすだけだったので、今回のように力点に力がはいってクランクを通して反対側に作用点があるのと全然違います。

つまり


図の左から叩いて、右のベアリングをはめるのに真中が押される・・・クランクがゆがむ!!

あわててもう一度はずそうと思ったが今度は固くてはずれません。

仕方ないので、一式積んでまた近所の車やさんに走ります。

「ど〜しょ〜か〜?」

「とりあえずはずして軽くペーパーでもかけてみるんじゃな」

ということで、ケースを割ったときのようにパイプをあてがつんといきます。
ふたりがかりだとあっさりはずれました。
軽く目の細かいペーパーをあて、CRC−556を大量噴射して洗浄します。

「とりあえず左右のケースを合わせてみ〜」

言われるままにカムシャフトを入れ左右をあわせますが、当然ネジにも届きません。

「そこの木片を…、そこのパイプを・・・。」
指示されるままにおじさんは動きます。

「おい、ここにゃあパッキンをぬらにゃあいけんのじゃろう。」

ぺたぺたぺた。外側の方に少し厚めに塗ります。

車やさんは、木片の間にケースを横にしておきシャフトにパイプをあてがって「ガンガン」とやりだしました。


「だいじょうぶかいな!!」

「このベアリング入れるときにガンガン叩いて入れたじゃろう?それは外側を入れるんじゃから外輪をたたかにゃあいけんのじゃが、おんなじようにいまはベアリングの内輪をたたきょんじゃ。」

なるほど、これならベアリングの外側にも力はかかりません。

少し入ると今度はひっくり返して同じように叩きます。
みるみるケースの隙間が狭まってきます。

「もうええじゃろう、ネジで閉めてみ」
おじさんは持ってきたワッシャとナットをはめます。

「あんまりしめたらおえんで〜」

おじさんはトルクレンチを借りて2s/mに締めます。

ケースの隙間からウニュウニュとパッキンが出てきます。

ケースを正立させ、ピストンを持ち上げて力を抜くとぐるりとコンロッドが…回りません。
これはベアリングに側圧がかかっているので、再びパイプをあてガンと一発いきます。

これでクランクが軽く回るようになりました。

ふぅ〜、助かりました。一時はどうなることかと思いましたが・・・。
秘密基地に帰り、ケース外側にはみ出たパッキンを洗い落とし、ケース組み立て完了。

いよいよ明日はギアの組み込みです。
ということで明日7時半に秘密基地に集合!(って誰に言っとんじゃ?)

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2001・4・8

いつもよりちょっと早く起きて出勤(?)です。

今日は秘密基地にわりと近いところにある大元神社というところで御神幸があります。
これはそこからおじさんのお店の近くの後楽園まで(約4キロ)行列が練り歩くというもので、その長さは1キロ以上もあります。

鐘、太鼓の音を聞きながら馬車(現天皇がご成婚のときの乗られていたようなやつ)なんかをボ〜と遠く眺めつつ缶コーヒーを飲んでいました。

そろそろはじめようかと各ギア、ブレーキクリーナー工具等を準備していると電話がありました。

「いまから集合ということで良いんですね〜」アイリーさんからでした。

来ていただいてもなんもないのですが、そばにいていただくと心強いので、

「集合は7時半だって書いたでしょう!」とお立ち寄りいただくことにしました。

そうこうしていたら今度は近所の親戚のおっさんが覗きにきて昔お乗りになっていたキャブトンの話をして帰られました。

そろそろ開始です。
まずクランクシャフトのピニオンをはめます。
キーを叩き込んでピニオンを灯油につけ、エアーで吹いてオイルをつけます。

そしてシャフトにはめ込むのですが、プーラーでやっと抜いたものなのでパイプを当て叩き込みます。
もう少しでおくまでというときに何か落ちてきました・・・。

カンナで粗く削ったような金属片でした。

おじさんの推理では、キーをはずすときにつけた傷が、ピニオンの端に引っかかってそのまま叩き込むのと同時に削れたものだと思われます。

う〜ん、プーラーがないのでもう一度はずして確かめることもできません。

そこへアイリ〜さん到着!早速それを見せると・・・、
「まあ、見なかったことにしましょう・・・。」

今さらどうしようもないので、さっさとわすれることにしました。
続いてアイドルシャフトを同じようにはめていきます。



そうこうしていたら今度はバージル君が登場しました。
見学者が多いと緊張しますな〜。

コンタクトブレーカー、アイドルシャフトホルダー、ギア、ゴムダンパー等を順次はめていきます。

オイルポンプのパッキンは、液体ぱっきんを塗らないようにと指示をいただき、オイルポンプのピニオンをはめていたら、「あ〜、順番が・・・。」と天声が聞こえました。

ダイナモチェーンの方が先でした。


なんとか形になってきたのでちょっと休憩。

アイリーさんは自分の点火タイミングの調整をはじめました。
「あれ〜、そういえばタンクに穴があいたんじゃあ…?」
「それはなかったことにしましょう!」


各所に素人くささののこる、ヘタウマとでも言うのか良い雰囲気のバイクです。
走る、止まるの基本機能がきっちりしていて外装には遊び心を・・・、オーヴァ-デコレーションじゃあないところが良いですな〜。

おじさんのWは最初はメッキタンク(といってもSのではなく、全面メッキ!)でしたが、あまりにも派手なんで純正柄に塗りました。

理科系人間のおじさんは、戦争は嫌いですが軍用車のような機能優先のものが好きです(ラットパトロールのMBが好き、ってやっぱりミ〜ハ〜か!)。
ジムニー(SJ10)に乗っていたとき、勤めていた会社の社長が持っていたパンサーリマよりかっこいいと思っていました。(そっちもホントはかっこいいんですけれど・・・。)

あとはダイナモを組んでエンジンハンガーを付けフレームに積み込めば…、というところで時間になりました。

再び点火時期の調整をはじめたアイリーさんと、それを見学しているバージル君を残しておじさんはさっさと帰路につきました。

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2001・4・9

今日はダイナモを組み込みましょう。

Oリングを新品に換えて、オイルもれ防止にグリスを塗ります。


どひゃ〜、ピンぼけだ〜。



エンジンハンガーを仮止めして、ダイナモを押し込みます。
ここでダイナモチェーンをはめなければならないのですが、そう簡単にははまりません。

エンジンハンガーの左をはずして斜めに差し込みますが上手くいきません。

しょうがないのでギアをはずそうと思い(ねじは緩めてあった)ましたが、プーラーもありません。

チェーンを引っ掛けてムリムリしていたら、ギアが若干動きました。
これでチェーンはなんとかOKです。

はずすときに叩いたんで、はめるときも叩きますが、今度はダイナモのボディーなんで、プラハンで軽く、辛抱強く叩いていきます。

なんとかはまりました。固定バンドを締めて隙間がないかもう一度確認。

エンジンハンガーをちゃんと固定して腰下終わり、ではなくて・・・。
もう一度すべてのネジをまし締めし、ロックワッシャーを折り曲げます。

一つ爪が折れていたので、ワッシャーをニッパーで切れ込みを入れ新たな爪を作ります。
(新品に換えろよな〜)

これで腰下終了、のはずです・・・。


自信はないですな〜。

そしていよいよエンジンをフレームに載せます。
腰上を組んでからだと、とてもひとりでは持てない重さになってしまうそうなので、この状態で行います。

まずYカバーをはめます。
液体ぱっきんはどうしようかと迷いましたが、一応薄く塗りました。

下にジャッキを置いて、持ち上げます。おじさんは腰痛があるので、殊のほか慎重にやります。

ジャッキを上げ下げしながらネジ穴を合わせ、4本のボルトを入れます。

仮止めの状態で腰上を組むことにします、というのは締めてしまうとミッションも固定されてしまいます。
オイルラインの取り回しを決めるため、エキパイとの位置関係を現物あわせしなくてはなりません。
しかしミッションを固定してしまうとエンジン下部のオイルラインののバンジョーがはめられなくなってしまうのです。

ここでおじさんはせっかくはめたエンジンしたのオイルフィルターのカバーを開けます。

じつはおじさんの秘密基地は結構ほこりっぽいので、洗浄することにしました。

灯油缶に醤油ちゅるちゅるを差し込み、


ジャバジャバとケース内に灯油を注ぎ込みます
効果のほどは良くわかりませんが、ケースにワッシャを落とした方ガこうやって取ったそうですからほこりも若干取れたと思います。

人のミスは参考になりますな〜、ということはこのHPはとっても参考になる?かな?

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