2003・7・6
ブレーキも完璧になった事だし、スポークは1本折れているのは無視して久々に出動しようと思いました。
秘密基地に赴き約300キロの車体を押し出します・・・・
あれ〜?若干Fブレーキのレバーの握りこみが深く感じます。
仕方なく再度路上でエア抜きをはじめます。
ビニールパイプをブリーダーにはめ込みポンピング、若干硬くなった所で緩め再度締め込み
またまたポンピング
何気なくビニールパイプを見ると、閉めているにもかかわらずパイプ内の気泡が少し動きます
しょうがないな〜と、気持ちブリーダーを締めます・・・もう少し回ります・・・・まだ回りそうです・・・・
ん????あわててビニールパイプをはずしブリーダーを緩めていきます
がっび〜ん×5
ブリーダーの雄ネジの山がありません・・・・と一瞬思いましたが雌ネジの山が切れて雄ねじの溝にくっついて出てきました。
キャリパー側の穴を見るときれいにねじやまが破壊されておりました。
ピンボケだ〜、わかります?
しばらく呆然としておりましたが当然走るわけにもいかず撤収
しかもブレーキが効かないのでエンジンをかけるわけにもいかないと少し段差になってる秘密基地入口を押し上げます。
かなり反動をつけて勢いよく押し入れようとしますが、あまりの車重にフロントしか引っかかりません
しかも段差でハンドルが切れてしまいます(間口2m弱)
このまま路上に放置するわけにもいかずバージルくんを携帯で呼びますが、でません。
仕方なくタバコを吸・・・あっ、別にフロントブレーキ効かなくてもエンジンかけて入れたらええやん!リアは効くし。
自分自身の動転さがよくわかりますな、トホホ。
撤収完了
さてどうやって直せばいいのか???
御うかがいを立てるべき師匠は超多忙でメールを送っても離島に送る普通郵便並み、着いてもクロヤギさん状態なんで・・・・
そうそう、頼りになるかたがいらっしゃいました、完全週休2日の自称トホホアマチュアレストアラーが
いつもはメールするのですが今日は電話をしました。
「kobaさん〜、たすけてくだされ〜」
「とりあえずヘリサートですな〜、そういうのが得意な人に聞いてみましょ」
「おねがいいたしまする〜」
ヘリサート・・・そりゃやっぱりネジやさんかね?
地元でどっかあるのかなと思い、これまた心強いYATAさんにメールしてうかがいました。
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さて翌日、いまだダイアルアップのアナログモデム作動〜!
ピー ジャラヒャララ〜 ピュインピュイン・・・・・「パスワードを確認しています〜♪」
kobaさんのBBSを見ます
7ミリ1.0ピッチのヘリサートは特殊でどなたも持っておられません・・・・
続いてメールチェック
YATAさんからの返事は、クランクネジ抜きをやってもらったボーリングやさんを推薦していただきました
とりあえず仕事が忙しかったんで静観
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さらに翌日、kobaさんからメールが来ました
いろいろネットで調べていただき、OKU−TECgarageさんを紹介いただきました
アマチュアレストアラーさんですが、その辺の下手な修理やさん真っ青の方でした。
メールさせてうかがいましたが、やはりサイズが特殊なのと、キャリパーの穴の底のシール部に厳重に垂直に立てないと漏れるとのことでした。
したがって道具が揃っても初心者には無理(っていうか失敗覚悟でやってみなされ)という結論
困った困ったと無常に時が流れていってたある日、ネットオークションでZ系のキャリパーを見つけました
たぶんZ系の方は純正にそうこだわってないと思ったし、開始価格1000円だったのでこれを落とそうと考えました。
しかしダイアルアップのわたしのPC環境ではオークションには参加しづらいので、再びkobaさんにお願いいたしました(IDも持ってないしね)
ところがkobaさんから「パッドの形状が違う」とご指摘いただきました
う〜む、外観はそっくりなんだけどね・・・Z系だって書いてるし・・・
そこで比較的新しいZ系(Z1R)にも乗ってるKAZ君に聞いてみました
「Z1Rとその形状は一緒だけれど反対側は丸いヨン」とお答えいただきました
・・・まあ、取り付けボルト間のピッチが合えばなんとかなるでしょ、と信じ入札再度お願い
終了は22時30分
3分前に ピー ジャラヒャララ〜 ピュインピュインとネット接続
22時29分kobaさん1600円で入札「やった〜!」と思ったのも束の間終了時間が5分延長???
1650円1700円・・・と入札されるごとに5分づつ延長???
それを察したかのようにkobaさんから携帯に電話が入りました
「こういうシステムなんですよ、自動入札は、で、いくらぐらいまでOK?」
「う〜む、まあてきとうに2〜2500円位?合うかどうかわからんし」
「了解!」
しかしその後しつこく競り合う方がおられ、結局当初お願いした低予算での落札はやはり無理でした(未落札)
で、1時間ほどネットつなげっぱなしは、昔やってた「テレホタイム」以来ですな〜
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2003・7・21
せっかくキャリパーはずしているのだからOHしちゃろ〜と思いました。
しかし良くするつもりが壊しては元も子もないので再びkobaさんに聞きます。
「ゴムパッキン類全部交換すると結構かかるよ、シャフトのOリングは確実に切れるからね」
むむむ・・・やっぱり何もしないのが正解か?
「でもヘリサートに出すのなら全部はずさなくちゃあね」
トホホホホ・・・・やっぱり右だけでも全バラシしなくてはなりません。
まず、ラバーダストシールドをはずします、慎重に・・・成功!
ピストンを抜くのですが、ブレーキパイプ部にエアーを注入すればよいのですがエアーブリーダーがはずされている状態なのでパイプレンチで傷をつけないように慎重に引っ張り出します。
ピストン表面はきれいでした。
つぎにシールのゴムをマイナスドライバーでこじりだします。
ほんでシャフトのOリング、「必ず切れる」といわれたので意地でも切らないように・・・・外れました、ふふふ・・・。
加工賃は先日のオークションの最高値位・・・
またまたついでに、はげまみれの本体に色も塗りました
しかし水性ペイントしかなかったのでそれをぺたぺた・・・
塗り終わって「あっ、フルードがかかったらまたはげちゃうよ!」と気がつきました、最初に気づけよな〜
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2003・7・25
いよいよ組立です。
左の外側のパッドが指で押しても外れません???こんなんで効いていたのかな???
ピストンをあてて金槌でドツキます、もちろん「こんこんこん・・・」とかる〜くです。
外れてサポート側を見ると錆っていうか何かいっぱい固着しています。
スクレイバーで慎重に削り取ります。
でパッドを良く見ると「VE・・・」の文字が、純正ではなかったのね〜
アーマーオールの漬け込んだパッキン類を取り出し、切らないように慎重に組み込みます。
キャリパーサポートをセットし本体取り付け、オイルラインセット・・・・組立完了です。
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2003・7・27
フルードを注入してエア抜きですが、一昨日不慮の事故により右手親指を破損したためレバーが握れないので後日持ち越し。
朝、店を開けていたら「ストト〜ントットン」とロングストロークシングルのなんともいえないサウンドのZ7がやってきました。
K野さん、キャブも替えてました。
推定アイドリング回転数500rpm以下!!
先日お見えになった時は真っ黒クロスケタンクでしたが、今日はまばゆいばかりのメッキタンクでした。
コーヒーを飲んで談笑しているとおもむろにカギをひとつ渡してくれます???
「先日走ってたらオートバイのカギ専門店があったんで複製を作っときました」
実は前回何気なくZ7のカギをK1にはめてみたらぴったり廻ったのでした。
K1にはいかにも手作り〜っていうような鉄板の切れ端を刻んだようなカギもどきしかついていなかったのです。
その後オークションでたびたび見かけたのですがやっぱり高値で手が出ません。
オリジナルとは程遠い「FUK○」のスペア-キーですが、いつちぎれるかわからない鉄板の切れ端よりはずっと良いです。
ありがたいことです。
この時代のメグロはほんの数種類しかカギがありませんが、全車共通の独車よりはカギらしいですね。
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2003・8・1
ケガも80パーセント治癒したのでエア抜き作業に入ります。
そこそこやって岡山でいちばん大きいディーラーに走ります。
「すみません〜、エア抜きお願いします〜」
コンプレッサーのホースにエア抜きツールがジョイントされて・・・
なんだか自作できそう・・・
かなりしつこくやってもらいましたがタッチはあまり変わりません・・・・
もうひとりのお店の方を呼んでレバーポンピング、ジョイント部のバンジョー部からもエア抜き
・・・・あまり変化なし・・・・
「効けば問題ないんですがね〜」と横から口出ししたところ
「効きはパッド自体の問題ですがタッチが変わらないのはホースが古くなってるからかもしれませんね、でもブレーキの力がなんだかキャリパー自体に吸収されてるような気がします・・・」
「そういえば外側のパッドがかなり固かった・・・・」
「あれは結構ぐすぐすですよ」
「ところでリザーブタンクの中でフルードが噴出すのは問題ないんですか?」
「ああ、このタイプは問題ありません!」
このことが不良だと思って今回のネタがはじまったのですが・・・
結局あまり変わらなかったのでそのまま帰ることにしました
「おいくらですか〜?」
「あっ、なおらなかったんで結構です」
貧乏人のおじさんにはうれしかったのですが、「まあコーヒーでも飲まれ〜」と通常ブレーキエア抜き代金相当をお礼に手渡しました。
これで次回から無理がききます・・・そんな事もないでしょうが。
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2003・8・2
再度ブレーキを分解します。
パッドを見ると外側はほとんど減ってないのに内側は・・・・
外内
やはり外側がサポートに固着していたため外側パッドが動いていなかったのでしょうか?
サポート内側とパッド外側に軽くペーパーをかけます。
ちょっと力を入れた拍子にパッドがかけます・・・・
「ん〜、やっぱし交換か〜」
そういえば秘密基地の近くに怪しいバイクパーツやさんがあります。
今まで行ったことはなかったのですがパッドを持って乱入してみます。
「おっちゃん、こんなんある?」
「Ve・・は無いけどこれならあるで」
セラミックと書いてあります。
4,400円・・・×2=8,800円・・・×1.05=9,240円・・・・
「おに〜さん(おっちゃんじゃあないのか〜!)、まからん?」
「じゃあ4000円」
「う〜ん、税込み!」
ということで総額8,000円で購入してしまいました。
「で、グリス塗ったほうがええの?」
「普通のじゃダメでぇ、ブレーキグリスを塗らにゃ」
「ホンじゃそれもちょうだい」
「売るのは無いな〜」
「じゃあ塗ってくれ〜」
ということでグリスもたっぷり塗ってもらいました。
てくてく歩いて秘密基地まで帰り、VE・・・と比べて見ます
やはり内側のパッドだけ減っています。
しかしSのほうは限界線がありませんな〜
組み立てているとMASAくんが乱入してきました。
「シコシコやってるんですね〜」
おっと、彼が「フルード噴出すのはおかしいで」と言い出したのに!
まあ、それはしょうがありませんが今回のことを振り返ってみると
外側パッドの固着が原因だと思われますし、つぶれたねじ山も、もしかしたら、もともとつぶれかけていてエアーを吸ってたのかもしれません。
なにはともあれ明朝早起きして走ってみます。
それでもダメだったらブレーキホースをステンメッシュに換え・・・・るわけもなく、こんなもんだと自分に言い聞かせる事にして作業終了。
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2003・8・3
朝5時に目覚めてしまいました。
W3+SCを押し出しエンジンをかけてGSに向かいます。
5月のミーティング以来ガソリンを入れてません。
さてブレーキですがやはり若干プア-なような気がします。
まあ最初の150回はあたり面が出てないのであまり効かないそうだし・・・
それでも山を目指して走ります。
走りながら「なぜ片方のパッドだけ減るのか?」と考えていました
突如理解できました、キャリパー自体がフローティング(?)マウントされていて片方のピストンが出っ張れば反対側もひっぱて来るのでした〜
ピストン側のパッドが固着していれば当然反対側しか効かないと・・・
またひとつ常識を身につけてしまいました(知らないのが非常識か〜)
山の中を走りますが、湿度が高く薄い霧が出ていてあまり気持ち良くありません。
ブレーキは一回ポンピングをするととてもよく効く(当車比)事がわかりました、つまり「ぎゅっ、ぎゅっ」とやればスゥーと車速が落ちます、よかったよかった。
この1回のポンピングはブレーキホースの拡張だと決めました(おいおい)
道の駅に着いて小一時間、MASAくんがやってきました。
私はえらそーに「ブレーキの理屈がやっと理解できたで〜」
「そーなんすよ、片押しはそれでどちらか片減りすんですよね」
やはり常識でした、とほほ。
それから1時間、どこに走りに出る事も無く、話し込んで解散しました。
帰り道「もう少しピストン側パッドをグスグスにしちゃろ〜」と思ったのですが、しないほうが良いかな?
下手に手を出してまた新たなネタの展開になるのも困るしね。